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ホワイトボードの前に立った女性講師は話し始めた。
最初はS氏と話したような内容だった。
昔は仕事が大変だったこと。
給料が少なく将来が不安だったこと。
しかしこの組織に出会い、人生が変わったという話だった。
仲間と励まし合いながら努力し、今では満足できる収入を得られるようになったという。
典型的な成功ストーリーだった。
そして組織の説明が始まった。
説明されたビジネスの内容は、オンラインカジノを紹介するというものだった。
私はオンラインカジノ自体をプレイする必要はないと言われており、実際に私は一度もプレイしていない。
求められていたのは、オンラインカジノを誰かに紹介し、登録してもらうことだった。
紹介によって報酬が発生する、いわゆるアフィリエイト型の仕組みだった。
当時はオンラインカジノの合法性について深く考えていなかったが、
今振り返ると、日本では違法性が指摘されているグレーな内容だった可能性が高いと感じている。
当時の私は知識もなく、「合法だ」という説明をそのまま信じてしまっていたが、
十分に調べるべきだったと反省している。
さらにこう説明された。
自分が紹介した人がまた別の人を紹介すると、その分も報酬が入る。
つまり人が増えるほど収入が増えるという仕組みだった。
最初は努力が必要だが、続ければ自分が動かなくてもお金が入るようになるという。
完全に理想論だった。
そして講師はこう言った。
「これは悪いものではない」
「みんな幸せになれるビジネス」
「友人にもぜひ紹介してほしい」
今思えば典型的な勧誘だった。
しかし当時の私は、「夢のある話」としか思わなかった。
登録の決断
講義は約1時間で終わった。
その後、パーテーションで区切られたスペースへ移動した。
そこにはS氏の先輩らしい男性がいた。
ここではT先輩と呼ぶことにする。
S氏と私で向かい合って座った。
T先輩は自己紹介をした。
元々はパン工場で働いていたが仕事に不満があり知人にここを紹介されてここに来たという。
今は会社を辞めてこの仕事一本だと言った。
その後、講義についてどう思ったか聞かれた。
そして最終的にやるかどうか決める場だった。
私はほとんど迷わず登録を決めた。
理由は単純だった。
仕事をしなくてもお金が入る。
それが魅力的すぎた。
さらに同じような境遇の人が多く、安心感を感じてしまった。
完全に心理誘導だった。
30万円の登録料

登録には30万円必要だった。
説明は受けていたので承知していた。
しかし問題があった。
VISAのクレジットカードが必要だった。
当時持っていたのはJCBカードのみだった。
しかし海外サイトだったため使えなかった。
するとS氏が言った。
「じゃあマルイ行こう」
近くにエポスカードセンターがあり、審査が通れば即日発行できるという。
ここで私は手際の良さに少し不安になった。
どんな問題にも答えが用意されているようだった。
しかし流れに逆らえず、1時間後。
私はVISAカードを持っていた。
そしてオフィスに戻り30万円を支払って登録を完了した。
この時点で完全に後戻りできなくなった。
目標シート

登録後、別のスペースに案内された。
同じように登録した人が5〜10人ほどいた。
そこで渡されたのが目標シートだった。
内容は:
・月収いくら欲しいか
・住みたい場所
・欲しいもの
・知っている高級ブランド
などを書くものだった。
完全にモチベーション管理だった。
言われるがまま書いた。
帰り際、T先輩から、
「いつでも来ていい」
と言われた。
次回来る日も決めた。
完全に囲い込みだった。
勧誘マニュアル

次に行った時は別の講師だった。
R先輩と呼ぶことにする。
内容は実践編だった。
どうやって人を紹介するか。
これが細かくマニュアル化されていた。
驚いたのは内容だった。
私とS氏の出会い。
そこからオフィスに来るまで。
その流れが全て書かれていた。
つまり私はマニュアル通りに動いていたのだ。
さらに:
SNSアイコン
プロフィール文
会話の進め方
全て決められていた。
どうやって警戒心を下げるか。
どうやって信頼関係作るか。
成功率を上げる方法。
全て説明され、私は完全に怖くなった。
だが同時に、成功したいという気持ちもあった。
この心理が一番危険だった。
友人を誘う決断

準備が終わると実際の勧誘が始まった。
最初の指示は:
LINEの友達から3人誘うこと。
理由は明確だった。
最低3人紹介しないと報酬が出ない。
つまりそれまでは1円も入らない。
この時点で私は違和感を感じていた。
それでも30万円を取り返したい気持ちがあった。
そしてLINEを見て考えた。
この話をしても許されそうな人。
もし嫌われても大丈夫な人。
つまり私はこの時点で、良いことではないとわかっていたのだ。
だが成功したい気持ちが勝っていた。
そして3人に声をかけた。
これは今でも後悔している。
自分が被害に遭うのはいい。
しかし他人を巻き込んでしまった。
それが一番の後悔だ。
下記に続く↓
